ドーパミンの出し方

何かをやろうとするためには、目的や目標に向かって動くためのモチベーションが欠かせません。そのモチベーションをかたちづくっている脳内神経伝達物質が「ドーパミン」です。このドーパミンを操ることができるようになれば、モチベーションを高く維持できます。今回は、そんな「ドーパミン」について書いていきます。

 

報酬予測と報酬獲得

ドーパミンは報酬を予測した時と、実際に獲得した時に分泌します。

例えば、何か目標を立てた時点でドーパミンが分泌し、実際に達成した時にも分泌されるのです。

そして、報酬を予測する際には「強化学習」という特徴があります。

例えば、あの焼肉をもう一度食べたいというように、一度得た快楽をもう一度得たいという感覚が「強化学習」によって起こります。

そして、この強化学習が「依存症」を引き起こしてしまう元凶でもあります。

ドーパミンは生存と密接に関わっている神経伝達物質であり、生存や生殖に有利に働くようにできていますが、現代では例えばインターネットやポルノなど、簡単にドーパミンを分泌できるもので溢れているため注意も必要です。

 

目標設定

ここまで述べてきたように、ドーパミンは報酬を予測した時点、つまり「期待」した時に出るので、目標設定の巧拙がドーパミンを操れるか否かに関係してきます。

そこで目標設定には2つのポイントがあります。

(1)目標を達成した時のメリットを明確化する

目標を設定した時に、目標を達成したらどんなメリットが自分にあるのかを明確にします。なぜ今の自分が、その目標に取り組む必要があるのか、明確になっていれば、うまくいかないときにも羅針盤のような働きをしてくれます。

 

(2)目標を細かく分ける

そして、立てた目標をさらに細かく分けて行きます。年単位、月単位、週単位、1日単位のように細かく分けると良いでしょう。なぜ細かく分ける必要があるかというと、目標が曖昧すぎると、報酬予測ができずドーパミンが出づらくなるためです。

また、目標に対してどれくらい進んだのかフィードバックをすることも重要です。

それにより、目標を達成した分、さらにドーパミンが分泌されます。

 

ここまでドーパミンについて書いてきましたが、目標を立てる上でも重要なことは、自分のことを客観的に観察して「自分は何をしているときがいちばん楽しいのか」「一番ワクワクするのか」ということに対する理解を高め、それによって強化学習が起こり、目標の設定と達成につながるのだと思います。