人はどんなときに笑うのか 

人はどんなときに笑うのでしょうか。

考えられることとしては、「予想外」なことが起こったときに人は笑ってしまう、ということが言えると思います。

例えば、「〜はこうなるだろう」という予測を人は無意識にしていて、その予測が外れたとき、すなわち「予想外」なことに対して人は思わず笑ってしまいます。また、ツッコミの役割とは予想外な出来事を指摘し、再び既定路線へ戻すこととも言えます。

 

ただこちらの記事にある、ホンマでっか!?TVに出演されている澤口俊之先生によると

お笑いを科学する「人はなぜ笑うのか」──澤口俊之(人間性脳科学研究所 所長 武蔵野学院大学教授) | GQ Japan

自分の間違いを笑うというのが現在の学説」とのことです。つまり予測が外れたことを自分で認識し、その間違いを笑うという少し高度なことを一瞬のうちにやってのけているということですね。

 

そう考えてみると、笑いをとる芸人やタレントという職業はとても高度な知的労働だと言えます。一瞬のうちに、予定調和を崩し、そしてそれを観ている人たちにもわかるようにしなくてはなりません。

 

放送作家倉本美津留さんが著者「笑い論」で述べているように、「予定調和を崩して驚きを与えることは、人を笑わせるテクニックの中でも重要」なのです。

笑い論 - 24時間をおもしろくする - (ワニブックスPLUS新書) | 倉本 美津留 |本 | 通販 | Amazon

 

また、同書の中で「笑いというのは、何だか分からないけれどおもしろいというのが一番面白い」とも述べています。であるからして、「あるある」よりも「なしなし」の方が価値があると熱弁しています。

希少価値や発明を生むという意味では、当たり前の事ではありますが、周りの人がやっていることと同じことをやっていてはいけないわけです。周りの人が思いもつかないようなことに果敢に挑戦する必要があります。いうは易し行うは難しではありますが。

 

とはいえ、何もないところから何かを生むというのは非常に難しいわけです。一方で、何か基本があればそれをズラすことはまだ簡単でしょう。水曜日のダウンタウンの総合演出を務める藤井健太郎さんの著書でも同様のことが述べられています。

悪意とこだわりの演出術 | 藤井 健太郎 |本 | 通販 | Amazon

 

また、家、ついていってイイですか?などを手がける高橋弘樹さんも著書

1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術 | 高橋 弘樹 |本 | 通販 | Amazon

の中で今までに誰も作ったことがないものを作るためには、「すでにあるジャンルの、もっとも根本的な価値の否定を企てる」ことが有効と述べています。

例えば、本来ドキュメンタリーというものは「じっくり長期にわたって取材したものが良質なドキュメンタリーである」という常識がありますが、「家、ついていってイイですか?」では逆に、その価値観を覆して、「超短期密着ドキュメンタリー」を作ったと述べられています。

ですから、もし新しいもの、見たことないものを作ろうとするのであれば、そのジャンルをじっくり観察して、気づかれていない「あたりまえだ」と受け入れられているルールや基本構造を発見し、その価値観の逆転を企てるというのが一つの正攻法だということです。

これはお笑いだけではなく、その他あらゆるビジネスにも言えることなのではないでしょうか?

まとめ

ここまでの話を簡単にまとめます。

・人は「自分の間違いを笑う」というのが現在の学説

・「予定調和を崩して驚きを与えること」が人を笑わせるうえで重要

・「驚き」を生むためには、見たことがないこと、新しいものをつくる必要がある

・何か「基本」があればそれをずらすことは簡単

あたりまえだと思われていることを発見し、その価値観の逆転を企てる

 

まだまだ笑いについては科学的に解明されていないことも多いですが、脳科学や心理学、またお笑い芸人や放送作家の著者などから「笑いのエッセンス」を抽出することはできるかと思います。

これからも「笑い」についての記事を上げさせていただきますので、応援よろしくお願いいたします!